LPGC WEB通信  Vol.14  2015.05.11発行 

平成26年度地方懇談会 消費者委員のご質問・ご意見

 平成26年度「液化石油ガス地方懇談会」は全国9ヵ所で開催いたしました。この会で消費
者委員から忌憚のない貴重なご質問やご意見をいただきました。販売事業活動をする上で大変
参考になると思われます。今月号では昨年度に引き続き、それらのご質問・ご意見を分類・整
理し、ご報告いたしたいと思います。
 なお、「液化石油ガス地方懇談会」は経済産業省から当センターが委託を受けて実施してい
るものです。

 消費者委員、事業者委員の構成
 表1に開催地毎の消費者委員、事業者委員の構成を示しました。
 平成26年度もほぼ平成25年度と同様な構成になっています。



 懇談会全体の参加者
 懇談会には、消費者委員、事業者委員の他、学識経験者、経済産業省・局、地方行政機関
(都道府県、市町等)、報道関係者、オブザーバー等が参加いたします。参加者は表2のと
おりです。



 消費者委員からのご質問・ご意見の分類
 消費者委員からのご質問・ご意見を表3のように、(1)~(5)の5つの大項目、および
①~⑯の16の小項目に分類して整理いたしました。
 なお、この分類は平成25年度と同じです。




 消費者費委員からのご質問・ご意見を①~⑯に分類・整理
 9ヵ所で懇談会を開催いたしました。この懇談会には全国47都道府県から消費者代表とし
て選定いたしました52名の委員の方々に参加していただきました。そして、LPガスに関わ
るあらゆる事柄について、忌憚のないご質問やご意見をいただきました。
 当日、消費者委員からのご質問・ご意見は図1のように240件に上がります。ちなみに、
平成25年度は55名の消費者委員から264件のご質問・ご意見をいただきました。
 図1では、前述の「3 消費者委員からのご質問・ご意見の分類」に沿って①~⑯に分類
し、平成25年度と平成26年度を対比しております。




 消費者費委員からのご質問・ご意見が多かった項目・内容
 消費者委員からのご質問・ご意見の多かった項目・内容について、件数が多かった7項目
(いずれも7%以上)について、「消費者委員の生の声」を要約してお届けいたします。
 販売事業を営む上での、ご参考になるものと思われます。

1位 「⑫ 防災対応力、LPガスへの期待」
 240件の内31件・12.9%、最も多くのご質問・ご意見をいただきました。

 
まずは、実際の経験談です。
  ○先の災害時にはLPガスが活躍したのが良かった。
  ○大震災時、千葉でも津波があったが、LPガスの炊出しで大変助かった。
  ○広島の水害時には、LPガスが活躍しましたね。
  ○豪雨の時、LPガスで炊き出しをしました。大変助かりました。
  ○2月の豪雪時でもLPガスが活躍した。容器2本立てが安心感を呼ぶ。

 
それを受けての、LPガスに対する高い評価と期待です。
  ○長崎は災害が多いが、エネルギーはLPガスなので特に心配していない。
  ○(災害対応)バルクシステムはgoodだ。LPガスを選択する幅が広がる。
  ○県協の災害対応については、良い評価をしている。
  ○災害時のLPガスのお役立ちが分って、安心しました。
  ○今回の災害からLPガスのよさが分かりました。
  ○LPガスの持つ災害対応力は安心だ。過去、展示会でも知ることができた。
  ○LPガスの過去からの災害対応については、高く評価したい。



 しかし、LPガス業界や事業者のPR下手を心配しています。
  ○災害時対応のPRをもっとするべきだ。
  ○LPガスの災害対応には感謝しますが、PR活動が少なすぎます。
  ○LPガスの災害時の役立ちについて、もっとPRすべきでしょう。
  ○電化に比べLPガスのPR活動が少ない。災害対応などはよい政策なのでもっとPR
   を。
  ○災害対応では県内の各団体・組織とコラボすることと、LPガスのPRを強化すべし。
  ○防災訓練等は良くやっているので、そのPRにも力を注ぐべきだと思います。
  ○炊出しはとてもよいが、一般にはLPガスだと知られていないのでは。

 
その上で、このような提案をいただきました。
  ○公共施設にはLPガスを導入してもらいたいです。
  ○我が家では、災害対応のために1ヵ所はLPガスを使っています。
  ○LPガスの災害対応力の強さはわかった。都市ガスエリアにも展開してもらいたい。
  ○災害対応は自治体・地方レベルで取り組むべき課題なので、連携強化を望みます。


2位 「② 事業者の質・提案力・PR」
 次に件数が多かったのが、「② 事業者の質・提案力・PR」に関するご質問・ご意見です。
29件・12.1%ありました。

 
まずは、競合エネルギーとのPRの比較です。
  ○都市ガスはPRがうまい。それに対してLPガスは?
  ○電化に比べLPガスのPR活動が少ない。災害対応などはよい政策なのでもっとPR
   を。
  ○オール電化のようなPRがなぜできないのでしょうか。
  ○オール電化はスマートさが強みとなっている。LPガス側も工夫が必要です。
  ○家電量販店はPR上手。一方、LPガスはどうでしょうか?



 提案営業やPRの必要性を消費者委員が指摘しています。
  ○LPガスの優れているところは情報誌等で知っているが、もっとPRをした方が良い。
  ○出前教室などで消費者にPRしてもらいたい。
  ○消費者に器具・快適性等を体感させるPR活動が重要ではないでしょうか。
  ○LPガスの持つ災害対応力は安心だ。過去、展示会でも知ることができた。
  ○LPガスの災害時の役立ちについて、もっとPRすべきでしょう。
  ○安全性が良くなっているのが分かった。もっと消費者にPRしたほうがよい。
  ○安全性の高い器具のPR活動に力を入れるべきだと思います。

 そして、具体的な提案材料と提案先を……。
  ○ガス器具展示を(ショールーム等で)見たいと思います。
  ○エコジョーズやエネファームについて実見し、知りたいと思います。
  ○エネファ―などの新しいし商品への取り組みについて知りたい。
  ○ガスストーブは優れた商品なのにPR不足。JAは貸し出しサービスをしている。
  ○ガスストーブは良い商品であるが、PRされていないこともあり、入手しにくい。
  ○グレードの高い器具が何故量販店にないのか。置くような働きかけが必要だ。
  ○避難所訓練でIHを使っていた。LPガスサイドでアプローチをした方がいいのでは。
  ○××電力が高くなっている。LPガスは挽回のチャンスだ。何か手立てはあるのか。
  ○イベント等においてガス器具の貸し出しがあれば、いいと思います。




3位 「⑦ 保安・安全・事故防止」
 3番目に件数が多かったのが、「⑦ 保安・安全・事故防止」です。25件・10.4%あ
りました。

 LPガスに関して、漠然とした不安があるようです。
  ○LPガスには毒性はないのでしょうか?
  ○LPガス事故が増えているようだ。その理由を知りたい。
  ○容器関連の事故が心配です。(LPガスがたくさん入っているので)
  ○容器回りの安全性に不安が残る。
  ○配管が老朽化しており心配ですが、集中監視があるので安心かな?

 だからこそ、事業者や団体にやってもらいたいことがあります。
  ○事故防止の観点から高齢者にはもっと分かり易い説明をしてもらいたいです。
  ○高齢者見守り隊の一環で、点検訪問をしてもらいたいと思います。
  ○古い器具は追放し、最新の器具に交換するよう指導してもらいたい。
  ○安全性の高い器具のPR活動に力を入れるべきだと思います。
  ○マイコンメーターの復帰など一般は知らない。もっと教えてもらいたい。
  ○災害時のLPガスに関して、マイコンメーターの機能の説明が必要です。
  ○雪害は少なくなったが、事故撲滅の観点から、注意喚起はしてもらいたい。


 さらには、こんなご意見もあります。
  ○音声付器具を開発してください。
  ○Siセンサーコンロはgood商品です……しかし安全性能が分かりにくいです。
  ○安全器具や防災に対して、より多くの人に研修してもらいたいです。
  ○カセットのカートリッジの回収を考えてもらいたい。(不安なので)
  ○××市で発生したガス事故の原因を知りたいのですが。


4位 「⑪ 料金水準・格差・価格改定」
 4番目は、「⑪ 料金水準・格差・価格改定」です。22件・9.2%ありました。

 
まずは、LPガスは高いとのストレートなご意見。
  ○LPガスは電気に比べても高いと思います。特に暖房です。
  ○LPガスの料金について、高い・不透明等の批判があります。
  ○我が家は大量に消費しているが高い。(都市ガスのような)割引制度はないのか。
  ○LPガス価格に不満(高い)です。
  ○販売事業者間での競争がなく、結果、高くなっているのではないでしょうか。
  ○中核充填所はいい制度であるが、その分、料金が高くなるのではないか。

 
しかし、料金に対するこのような意見も。
  ○料金は高いが、LPガスは快適です(ガスストーブ等)。
  ○お風呂の場合、LPガスだと高い。しかし、オール電化に比べ湯量は豊富だ。
  ○LPガス価格について、高い(という悪評)や安いということは聞いたことがない。
  ○ガス料金の違いを気にしている消費者は少ない。あまり気にならないのでは。
  ○料金は高いが、今日の話で一部は納得できました。



 LPガス料金は公共料金的なものと考えている方もいます。
  ○LPガス料金は高いが、協会等で統一できないのでしょうか?
  ○事業者間の料金の高低、地域差はどうなっているのか。平準化すべきだ。
  ○カセット用ボンベはメーカー・店等により何故価格が違うのでしょうか。

 
LPガス料金などに関して、説明してもらいたい。
  ○マンションと一戸建てと料金が違う。何故なのか?
  ○アパートでは高いというクレームがあると聞いています。説明してください。
  ○都市ガスとLPガスとの違いを説明してください(料金、性質、供給…等々)。


5位 「③ コミュニケーション」
 5番目は、「③ コミュニケーション」です。21件・8.8%ありました。

 
事業者とのコミュニケーションに関して不満があります。
  ○口座引落等で販売店との接点がなくなってきています。不満です。
  ○販売店の消費者に対する訪問やコミュニケーションが最近弱くなっています。
  ○販売店との付合い、コミュニケーション、展示会…等々何もない。
  ○業者からの情報が不足している。フェース・ツー・フェースになっていません。
  ○顔が見えない販売店が多い。コミュニケーションの努力をしてもらいたいです。

 コミュニケーションがうまくいっているとのご意見も何件かありました。
  ○うちと販売店とのコミュニケーションは十分にあると感じています。
  ○県協とのコミュニケーションは100%です。事業者には感謝しています。




 消費者委員が提案しているコミュニケーション機会とは。
  ○容器交換時以外もコミュニケーションをお願いします。
  ○「見守り活動」「炊出し活動」などが、LPガス業者と我々をつないでいると思いま
   す。
  ○消費者に対するコミュニケーションが少ないが、見守り隊活動などが重要です。
  ○老人が倒れたことをLPガスの販売店が直ちに知った。大変良いシステムですね。
  ○女性に対する視点が大切。器具などを含めてコミュニケーションをお願いします。
  ○LPガスをビジネスライクに考えてほしくない。フェース・ツー・フェースが大切だ。
  ○販売店は小さいので、業界団体でPR等に取り組んでもらいたいです。


6位 「⑩ 料金制度」
 6番目は、「⑩ 料金制度」です。20件・8.3%ありました。

 
統一料金・規制料金にすべきとの意見があります。
  ○価格に店ごとの格差がある。理由や内訳が良く見えません。
  ○何故、LPガスは店によって価格が違うのかが分かりません。
  ○LPガスが自由料金というのはどうかと思う。
  ○同一料金にすべきだと思います。
  ○料金が何故店ごとに異なるということが、今日分かりました。

 
また、料金制度自体あるいは事業者の説明が分りにくいとのご批判があります。
  ○LPガスの料金について、不透明・高い等の批判があります。
  ○料金制度が分かりにくいです。業者の説明不足ではないでしょうか。
  ○ガス料金の仕組みが分からない。事業者は説明する努力をしてもらいたい。
  ○都市ガス料金は分かり易いが、LPガス料金は分りづらいです。

 
さらに、料金が高いのは料金制度の問題ではないかとのご指摘も。
  ○ガス消費量が少ないと、基本料金のハネが響くようです。何とかなりませんか。
  ○消費者に料金体系と透明性の周知徹底が必要。不十分な結果、価格に不満(高い)。
  ○我が家は大量に消費しているが高い。(都市ガスのような)割引制度はないのか。

 
結果として、原料費調整制度導入や料金公開の要請につながっています。
  ○原料費調整制度を推進していただきたいと思います。
  ○原料費調整制度は増えてきているが、その取り組みについて知りたい。
  ○ガス価格(制度・料金水準、公開等)の問題に対して国としての考えはどうなのか。
  ○LPガス料金の公開についての考えをお聞きしたい(公開すべきとの前提)。




7位 「⑥ LPガスの利便性・快適性・環境性」
 7番目は、「⑥ LPガスの利便性・快適性・環境性」です。18件・7.5%ありました。

 
何といっても火力の強さを最大の特徴と捉えています。
  ○LPガスストーブを利用しているが、暖房力が優れておりgoodだ。
  ○ガスストーブはよい商品であるが、PRされていないこともあり、入手しにくい。
  ○ガスストーブは優れた商品なのにPR不足。JAは貸し出しサービスをしている。
  ○LPガスは火力強くて重宝しています。
  ○オール電化でも、LPガスは便利なので使っている。(大鍋で煮るような場合)
  ○LPガスで大鍋での煮炊き…大変助かっています。
  ○炊飯器でいうと、LPガスで炊いた方が(火力があるので)IHよりおいしい。



 一方、便利でいいのだけれども、ガス料金が…という意見も。
  ○ガス風呂の場合、LPガスは高い。しかし、オール電化に比べ湯量は豊富だ。
  ○LPガスは快適であるが(ガスストーブ等)、料金は高い。

 
さらには、LPガス器具に関する提案もありました。
  ○エネファ―ムなどの新しいし商品への取り組みについて知りたいです。
  ○エネファームは価格がまだ高い。国としての今後の支援策はどうなっていくのか。
  ○エコジョーズやエネファームについて実見し、知りたいと思うのですが……
  ○(高齢化社会に向けて)音声で注意する器具を開発すべきだと思います。
  ○LPガス小型発電機が良いと思います。ガソリンはうるさいからね。
  ○LPガス車(配送車等々)について興味がある。その後の利用等を知りたい。

 
その他、参考になる意見など。
  ○LPガスによって、環境負荷を下げることをしてもらいたいです。
  ○LPガスとは火を通じての付き合いだ。もっとLPガス器具のPRをした方が良い。
  ○都市ガス以外のエリアではLPガスは大変重要です。もっと頑張ってください。

 (事務局長/大森栄治)