LPGC WEB通信  Vol.24  2016.03.10発行 

平成27年度地方懇談会 消費者委員のご質問・ご意見
  ~今年度の「石油ガス懇談会」を振り返って~


 平成27年度「液化石油ガス地方懇談会」は全国9ヵ所で開催いたしました。この会で消
費者委員から忌憚のない貴重なご質問やご意見をいただきました。販売事業活動をする上で
大変参考になると思われます。今月号では昨年度に引き続き、それらのご質問・ご意見を分
類・整理し、ご報告いたしたいと思います。
なお、「液化石油ガス地方懇談会」は経済産業省から当センターが委託を受けて実施してい
るものです。

 消費者委員、事業者委員の構成
 表1に開催地毎の消費者委員、事業者委員の構成を示しました。
 平成27年度もほぼ平成26年度と同様な構成になっています。 



       ※和歌山県の消費者委員は、都合により欠席されました。


 懇談会全体の参加者
 懇談会には、消費者委員、事業者委員の他、学識経験者、経済産業省・局、地方行政機関
(都道府県、市町等)、報道関係者、オブザーバー等が参加いたします。参加者は表2のと
おりです。





 消費者委員からのご質問・ご意見の分類
 消費者委員からのご質問・ご意見を表3のように、(1)~(5)の5つの大項目、およ
び①~⑯の16の小項目に分類して整理いたしました。
 なお、この分類は平成26年度と同じです。 





 消費者費委員からのご質問・ご意見を①~⑯に分類・整理
 9ヵ所で懇談会を開催いたしました。この懇談会には全国47都道府県から消費者代表と
して選定いたしました51名の委員の方々に参加していただきました。そして、LPガスに
関わるあらゆる事柄について、忌憚のないご質問やご意見をいただきました。
 当日、消費者委員からのご質問・ご意見は図1のように233件に上がります。ちなみ
に、平成26年度は52名の消費者委員から240件のご質問・ご意見をいただきました。
 図1では、前述の「3 消費者委員からのご質問・ご意見の分類」に沿って①~⑯に分類
し、平成26年度と平成27年度を対比しております。




 消費者費委員からのご質問・ご意見が多かった項目・内容
 消費者委員からのご質問・ご意見の多かった項目・内容について、件数が多かった5項目
(いずれも7%以上)について、「消費者委員の生の声」を要約してお届けいたします。
 販売事業を営む上での、ご参考になるものと思われます。

1位 「②事業者の質・提案力・PR」
 233件の内75件・32.2%、最も多くのご質問・ご意見をいただきました。

 
まずは、PRが不足していることについてです。
  ・ガス屋から情報を聞く機会がほとんどない。キチンと情報提供をしてほしい。
  ・ガス業界の広報活動を積極的に、やってもらいたい。
  ・LP事業者は一生懸命やっているが、PRが少ないので伝わってこない。
  ・業者とのコミュニケーション、接点がない。もう少しPRしていただきたい。
  ・協会から、説明不足の業者に丁寧な説明をするよう指導していただきたい。

 
一方、評価していただいています。
  ・LPガスに関するPRはテレビや色々なところで感じるようになった。
  ・販売業者は料金をすぐ教えてもらえる。安心、信頼して使わせてもらっている。
  ・新製品等の分かり易い説明・PR、ガス設備の提供や使い方指導等の対応に大変感
   謝。
  ・ガスはよく宣伝もできているし、いろいろやられているので、よく出かける。
  ・LPガスは鍋を選ばず便利、炎であぶることがガスはできる。大いに宣伝してほし
   い。
  ・いろいろな団体向けに非常に細かな情報提供をしている。

 
競合エネルギーとのPRの比較です。
  ・電化に比べ、LPガスのPR活動が下手だなということを感じる。
  ・電気に比べるとLPの方は宣伝が下手。
  ・世の中がすっかりIH志向になり、ガス協会も頑張ってIHに負けないようしてほし
   い。

 
どうすれば…。
  ・消費者にもっと浸透するようなPR方法を取っていただければもっと伸びると思う。
  ・広報誌を発行するなどの取り組みを行うことはいかがか。
  ・異業種とも協賛したPRも必要。
  ・人口構造が変わる中で事業拡大はまず難しく、将来的な計画を考えることが必要。
  ・検針に来られた方などに新商品の紹介等、指摘してもらったらいいのではないか。
  ・ガスに安売り、サービスの時期があってもよいのではないか。
  ・業者と身近なところで、色々と相談に乗ってくれる細かな対応を望んでいる。 

 
メディアの利用
  ・各県のPRは地元メディアをうまく使った方法を考えている。工夫してほしい。
  ・広報活動は、SNSや口コミ、フェイスブック等が一番。身近な啓発活動を期待す
   る。

 
見回り、火育
  ・高齢者宅の巡回訪問で事業者がPRをすれば「相談をしよう」と心積りができると思
   う。
  ・高齢化社会では保安点検、見回り等をしていただくと、住民として非常に安心であ
   る。
  ・火育について、今後はそのような活動の場を活用させていただきたい。
  ・火育によって、LPガスの強みということを伝えていけるのではないか。

 
販売指針について
  ・販売指針が実現できたら苦言は言わないで済むのではないか。
  ・販売指針を協会のメンバーに対し徹底し、講習会等々でも周知を図ってほしい。
  ・販売事業者が説明する義務は、法的義務を課すことも検討すべきである。

2位 「⑪料金水準・格差・価格改定」
 次に件数が多かったのが、「⑪ 料金・格差・価格改定」に関するご質問・ご意見です。
25件・10.7%ありました。

 
消費者の不満・要望
  ・価格問題で非常に割高であることが、ずっと続いた。
  ・料金変更時の料金体系について説明がなされているか。消費者は認知していない。
  ・消費者が自由選択できる前提がなく、正しい価格が形成されるという期待は難しい。
  ・事業者によって料金が違うのは何故か?価格の透明性を望む。
  ・「オール電化よりもガス代が高いのは何で?」という質問は随時受けている。
  ・初めてLPガス価格は、皆同じではなく、価格が透明ではないということを知った。
  ・基本料金について他県から来た人達は、疑問に思っている。
  ・構造改善で合理化して価格を割安にしてほしい。
  ・適正なPR、数値を使ってもらいたい。

 
納得されているケース
  ・LPガスについて価格、安全面も問題なく使用しているので、なんの問題もない。
  ・価格の問題が、流通、配送、安全の経費だとわかりました。
  ・金額は高いと感じたことはない。火力が強く、すごく便利で危険ではない。
  ・金額の前に安全面を重視したい。その上で、企業努力で安くなることは歓迎。

3位 「⑩料金制度」
 3番目に件数が多かったのが、「⑩料金制度」です。24件・10.3%ありました。

 
多くの方が不透明と感じています。
  ・料金体系が不透明で、料金の自由化について知らせていなかったのではないか。
  ・オール電化に替えたら違約金が発生し不透明で分かりにくく感じた。
  ・従量料金制の透明性が必要であり、消費者の理解も必要である。
  ・料金区別など分かりやすく記載することを、義務づける必要があるのではないか。
  ・事業者によって料金が違うのは何故か?価格の透明性を望む。
  ・料金体系がキチンと書かれていたので、このように消費者に伝えれば納得すると思っ
   た。
  ・初めてLPガス価格は、皆同じではなく、価格が透明ではないということを知った。

 
情報・納得のいく説明が求められています。
  ・基本料金の違いについて情報を発信してもらうとよい。
  ・LPガス料金は消費者に対して納得のいく説明が十分なされていないのではないか。
  ・料金変更時の料金体系について説明がなされているか。消費者は認知していない。
  ・価格の問題で見える化ができないのかと思う。
  ・取引に関して、料金体系や情報提供などがあまりないと聞いている。
  ・料金について説明の機会を設けているが、消費者の家庭には届いていない。
  ・料金体系や注意喚起などが消費者に届いていないが何か対策はないのか?
  ・料金体系について理解が不足している。情報に見合うものがいるのではないか。

 
LPガス料金は公共料金的なものと考えている方もまだいます。
  ・消費者はガス料金が自由料金と分からず、公共料金のように思っている。
  ・料金について、価格が自由料金だと一般的に認識は少ない。
  ・自由料金について、まだまだ認知されていない。

 
説明・公開で安心されています。
  ・ホームページで料金表を公開しており、感激でした。
  ・販売業者は料金をすぐ教えてもらえる。安心、信頼して使わせてもらっている。



料金表及び請求書の一例  出典:LPガス販売指針((一社)全国LPガス協会)

4位 「⑫防災対応力・LPガスへの期待」
 4番目は、「⑫防災対応力・LPガスへの期待」です。20件・8.6%ありました。

 
LPガスに対して評価していただいています。
  ・3・11の後、皆さんからありがたかったと、好評をいただいている。
  ・災害に遭い「プロパンガスがあってよかった」というお話を聞いている。
  ・中越地震、中越沖地震等を経験してきたがLPガスのお蔭で非常に助かった。
  ・自治会では都市ガスを使っているが、LPガスを入れれば災害時に安心だと思う。
  ・製品安全や防災講習の事業で、LPガスについて楽しい話をいただいている。
  ・東日本大震災後、LPガスに対してありがたさを感じ、存在感を感じる。
  ・地域防災で、各市町村を駆け巡り協定を取りにいく努力は大変なもの。
  ・LPガスの良い所は、去年豪雨による災害がありLPガスが活躍したこと。
  ・一昨年の年の瀬に大雪が降り、LPガスのありがたさをつくづく感じた。

 
具体的な取り組みについて
  ・LPガス協会は、公的施設へのバルク等の導入に積極的に取り組んでいる。
  ・LPガス業界の方が災害に向けて一生懸命取り組んでいることは大変力強い。
  ・災害のときだけがLPガスでなく、普段の生活で目を付けるかである。

 
災害時対応についてLPガスへの要望です。
  ・ガス器具や災害時対応について事業者から積極的な情報提供をお願いしたい。
  ・災害に強いLPガスの普及拡大をもっと進めてほしい。
  ・災害に強いというところに重点を置き、もう少し市民教育に目を向けていただきたい。
  ・災害に強いことはもっとPRしなくてはならない。
  ・防災訓練には力を入れており、炊き出し用設備を設置していただければありがたい。


普段使いで強い火力は、いざという時も力を発揮

5位 「①事業者の活動を評価、感謝」
 5番目は、「①事業者の活動を評価、感謝」です。17件・7.3%ありました。
上位ご意見と重複しますが、日ごろから事業者の活動が評価されています。

 
事業者のPR、活動についてです。
  ・LPガスに関するPRはテレビや色々なところで感じるようになった。
  ・LPガス協会の講演では「協会さんはがんばっている」と学ばせていただいた。

 
事業者の安全、保安についてです。
  ・困ったことがあれば電話をして駆けつけて来ていただけ、見回り等もしていただける。
  ・保守点検をきちんとやっていただき、とても感謝している。

 
災害対応についての評価です。
  ・3・11の後、皆さんからありがたかったと、好評をいただいている。
  ・災害に遭い「プロパンガスがあってよかった」というお話を聞いている。
  ・中越地震、中越沖地震等を経験してきたがLPガスのお蔭で非常に助かった。
  ・東日本大震災後、LPガスに対してありがたさを感じ、存在感を感じる。
  ・LPガス業界の方が災害に向けて一生懸命取り組んでいることは大変力強い。
  ・昭和55年大雪のとき、停電でも特別不便は感じなかった。LPガスで助かった。
  ・LPガスの良い所は、去年豪雨による災害がありLPガスが活躍したこと。
  ・一昨年の年の瀬に大雪が降り、LPガスのありがたさをつくづく感じた。
  ・台風で24時間以上電気が来なかった時があり、LPガスで助かりました。

最後に懇談会で好評だったFRP容器についての意見をまとめました。
  ・FRP容器は見た目も良く、皆さんにお話しをさせていただこうと思う。
  ・FRP容器について「これはいっぱい普及すればいいな」と思った。
  ・かわいらしいもの(FRP容器)が付くとうれしい。PRしていただきたい。
  ・FRP容器、素晴らしい製品ができた。
  ・FRP容器は会議等がある時は、どしどしこれを持って広めることが大事だと思う。
  ・FRP容器について、組合員にも知らせることができるのでデータがほしい。
  ・FRPボンベはかわいく「早く普及しないかな」と思うがどのような課題があるのか?
  ・FRP容器の普及促進とあるが、ガスボンベを家の中に置いていることは可能なのか。
  ・FRP容器で「火事になっても爆発せず、安全性が高い」とあるが、安全かが疑問。
  


 (広報室/冨田博昭)