LPGC WEB通信  Vol.48  2018.03.12発行 

筑波大学附属中学校で講習会を開催

みんな、コーヒーのお湯はどうやって沸かしてる?教室に集まった中学3年生の皆様に問い
掛けてみました。

今回は、東京都文京区の筑波大学附属中学校3年生の授業で、LPガス講習会を開催しまし
た。
出揃った「エネルギー自由化」メニューの中で、生徒たちに「消費者としてどんなエネル
ギーを選ぶ?」について考えてもらい、LPガスのことを知ってもらいたかったのです。
LPガスのことが、初等・中等教育の教科書等の教材に取り上げられていないことに鑑み、
LPガスの重要性、有用性と共に、教育の必要性を「LPガス講習会」を通じ伝えるべく、
予てより文部科学省や関係行政、教科書業界の団体等に対し、講習会の開催について働きか
けていました。
係る中、文科省より同校の関谷主幹教諭をご紹介いただいたので、すぐにお会いし、わが国
の半数近くはLPガス世帯であり、非常時の「最後の砦」となる重要なエネルギーにも拘わ
らず、学校で教えていない実状を伝えたところ、まずは教育現場である「教室」で、「生
徒」に直接教えてみては?との願ってもないご提案をいただきました。


 筑波大学附属中学校  講習会=授業の様子

授業は、社会でも理科や技術家庭科でもなく、「総合的な学習の時間」という文科省の学習
指導要領に基づく教科で、基本の9教科で学んだ基礎的・基本的な内容をもとに、生徒自身が
課題を設けて追究する発展的で総合的な学習内容となっています。

■同校が進める「総合学習」
http://www.high-s.tsukuba.ac.jp/jhs/wp/integrated/

関谷先生は、生徒が社会に出てから本当に役に立ち、これからの社会を生きる上でリスクを
どのようにコントロールできるかを育み、延いては皆が安心して暮らせる未来に繋がる価値
観・行動・ライフスタイルの醸成が狙い、としており、資源エネルギー庁が公益社団法人日
本科学技術振興財団への委託事業として推進する「エネルギー教育モデル校」として同校を
牽引しています。
■エネルギー教育モデル校の本講習会紹介ページ
http://www.energy-modelschool.jp/openclass/2017/11/06/5783

講習会(授業)の流れは、「学校教育におけるLPガス」について考察を重ねておられ、こ
のWEB通信Vol.37 2017.4.10号への特別寄稿や成果研究発表会で講演をお願いした、埼玉
大学教育学部の山本副学部長より指導過程をご教示いただき、参考にしながら次の様な流れ
としました。
■山本教授の特別寄稿
http://www.lpgc.or.jp/corporate/webreport/201704contents1.html

1.開始前に5分程度の簡単なアンケートを行いました。
事前アンケート用紙。
終了後、右半分で同じ質問に回答してもらいました。


2.エネルギー自給率の低下とその経緯については、授業で既に学んでいるとのことでした
が、だからこそエネルギーについて身近なところから学ぶことが重要であることをまず伝え
た上で、極力、問い掛け/レスポンスの繰り返しで関心を誘いながら、メモ代わりにワーク
シートにも記述してもらい、パワーポイントに沿って授業を進めました。

授業の進行に使用したワークシート

3.中学生の実生活で、どのようにお湯を沸かすか?どのくらいの時間でいくらかかるか?
の考察を皮切りに、家庭用エネルギーの変遷とその時代背景、系統供給エネルギーのリスク
とLPガスの有用性や課題等の説明を経て、エネルギー自由化で何が変わったか、自由化時
代にどのエネルギーを選択するかについて考えてもらいました。

4.FRP容器と長野オリンピック聖火トーチの実物を持参したので、実際に見て触れても
らいましたが、FRP容器の重さを確かめる生徒、聖火トーチを掲げて教諭に写真を撮って
もらう生徒もあり、大きな関心が寄せられました。折りしも2月9日からの平昌オリン
ピック開催直前の時期であったため、聖火トーチの形状の変遷を紹介したり、平昌ではLP
ガスを使用するが、2020年の東京は燃料として水素を使用する動きがあることを伝える
等、余談も交えて授業を進めました。

イェーイ!(関谷先生撮影) 「うん、持てる持てる!」(関谷先生撮影)

5.講義終了後にどのような認識の変化があったかを自分でも確認するため、冒頭に行った
事前アンケートの右半分に事後アンケートとして記述してもらいました。

教育現場でのLPガス講習会の開催は初の試みでしたが、将来の消費者として、また個々か
ら他者への発信も期待でき、広報活動の対象先として影響力は大きいものと考えます。
生徒からは、「大切なエネルギーなので理科や社会で、また災害に関する授業で取り上げる
べき」と正に我が意を得た意見、「自由化で規制と規制緩和双方を学べる」や、「価格では
都市ガス、災害対応力ではLPガス」との前向きかつ率直な意見もあり、大変参考になりま
す。
講習会(授業)が終了し生徒の退出後、関谷先生より他校教師・行政・プレスに対し、同校
のエネルギー学習について紹介がありました。今回の授業では、生徒各々の視点でエネル
ギーのベストミックスについて考えることができ、有意義だったとの評価もいただきました。
同校は、教員育成校(東京師範学校→東京教育大学→筑波大学)が起源の附属学校で、建学
当初より時代に則した模範的な教育メソッドを有し、全国からも多くの教員等の参観があり
ます。その様な環境は他校とはやや事情が異なりますが、生徒のみならず教員に対するLP
ガス広報の場ともなるため、今後も他の教育機関等に対しても、講習会という形で、エネル
ギー教育教材への「LPガス」採用に繋げる活動を継続したいと考えています。


□開催日   平成30年1月31日(水)13:00~15:00
□受講者   生徒20名、同校及び他校教諭5名、行政機関1名、業界紙6名、計32名
□開催場所  筑波大学附属中学校 社会科教室
□講習テーマ 「消費者としてどんなエネルギーを選ぶ?~LPガスのことを知ろう~」
□講習内容  ①どうやってお湯を沸かす?
       ②エネルギーの変遷とLPガス
       ③エネルギーの自由化と災害に強いLPガス!
       ④災害時のエネルギー
□受講者のエネルギー構成(生徒のみ)
       ○都市ガス      16名
       ○オール電化      3名
       ○LPガス       0名
       ○回答なし       1名

□講習会前後のアンケート結果抜粋



今後も、より多くの消費者及び将来の消費者にもLPガスの有用性を再認識してもらい、よ
り多くのLPガスのファンを創造するため、現消費者、消費地に限らず、LPガスがエネル
ギーの選択肢の一に加えられるために、各々の状況に合ったメニューで講習会を開催してい
く所存です。
お申込みをお待ちしています。
(広報室/野村 晃久)