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●平成21年度「DME混合燃料利用技術調査」の概要 |
(1)調査の内容 |
本事業はDME混合における3成分系燃料についての調査を行う他、これまで実施してきた家庭用の消費機器及び供給機器における燃焼性、安全性、耐久性等の適合性確認のための燃焼試験、安全機器の動作確認後の評価等の調査結果を踏まえ、DME混合燃料に関する今後の課題についてのとりまとめを実施した。
1)DME混合における3成分系燃料についての調査
これまでの調査では、プロパン、DMEの2成分を混合した燃料を中心に、3成分系については、ブタン3%以上の試験を実施してきたが、実際に家庭用消費機器等で利用する際には、ブタンが3%未満で混合していることも想定されるため、以下の試験を実施した。
@3成分系燃料(ブタン3%未満)の自然気化に関する試験
A3成分系燃料の自然気化に関するガス組成水産式の導出
2)DME供給設備の検証及び撤去
これまで委託調査事業で使用したDME貯蔵供給設備(DME受入れ貯蔵設備、ガスコンプレッサー、ボンベ充填器への払出設備等)について、使用後のシール材劣化状況等の検証を行い、実験棟等関連施設とともに撤去、廃棄処分を行った。
3)DME混合燃料に関する今後の課題のとりまとめ
平成20j年度及び平成21年度に実施した本委託事業による調査結果及び平成17年度から平成19年度までに実施した「DME燃料実用化普及促進研究委託事業」による調査結果を踏まえ、下記の項目について今後の課題等をとりまとめた。
@DME混合燃料の普及等に係る関係法令の課題整理
ADME混合燃料の普及等に係る民間事業者の技術的課題の整理
B一般家庭でDME混合燃料を使用する際のガイドラインの作成
CDME混合燃料の普及に向けた課題の整理
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(2)調査成果 |
1)DME混合における3成分系燃料についての調査
自然気化試験により、3成分系で充填時のDMEが15wt%程度ならば、燃料を空まで消費してもDMEの濃度が極端に変化することはないことが明確になった。
また、推算式については、新たに液相比容積の精度向上させた状態方程式を昨年開発したプロパン+DME+ブタン3成分フラッシュ計算プログラムに導入し、プロパン+DME+イソブタン+ブタン4成分系に拡張した。
2)DME供給設備の検証
これまで委託調査事業で使用したDME貯蔵供給設備のシール材劣化状況の検証については、耐DMEシール材(テフロン製)に交換済みであり、全て異常なしの結果だった。
3)DME混合燃焼に関する今後の課題のとりまとめ
ここでは各項目について、分野別に課題の一例を挙げることとする。
@DME混合燃料の普及等に係る関係法令の課題整理
○適用法規
高圧法上ではLPガスは液石則、DMEは一般則にて規制されてい
るため、混合利用の際には整合性を確認する必要がある。
○LPガス器具で適用される認定技術基準
DME9wt%充填したLPガスに対しては燃料供給や燃焼機器で支
障なく使える結果となった(平成20年度受託研究)が、これは市販の
全機器で使えるということではないため大半の燃焼機器で再確認が
必要である。
ADME混合燃料の普及等に係る民間事業者の技術的課題の整理
○DME混合方法
DME混合は一次基地及び二次基地において、充填基地への搬入
タンクローリー内でのブレンドを基本とする。
品質保証は供給業者からの保証で対応可能。DME混合燃料をタ
ンクローリーで輸送することになるので、充填所向け供給には既存LP
ガス用ローリーが使用できる。
B一般家庭でのDME混合燃料を使用する際のガイドラインの作成
○気化性能の影響(低温時、大量消費時)
DME混合燃料の寒冷地での使用時には、強制気化方式等対策の
考慮が肝要。
CDME混合燃料の普及に向けた課題の整理
○民間企業が活用するための方策
LPガスのインフラの活用ならびにDME需要家を掘り起こすために
は、DME製造関連業界とLPガス業界の連携が必要である。
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