LPGC WEB通信  Vol.70  2020.01.06発行 

 新年のご挨拶



 新年あけましておめでとうございます。旧年中はエルピーガス振興センターの事業活動にご支援ご協力を賜り、誠にありがとうございます。

 さて、国際エネルギー情勢の変化や電力・都市ガス市場の自由化、多発する自然災害など、LPガス産業を巡る環境が大きく変化する中、第5次エネルギー基本計画、国土強靭化計画におけるLPガスの位置づけや期待は高く、その役割を果たすための取り組みについて、より一層の深化が求められております。当センターは、エネルギー間競争時代において、LPガス産業の課題解決の一助となれるよう、引き続き事業に取り組んできております。

 当センター主催のLPガス国際セミナー2019では、前年を上回る650名超の内外のLPガス関係者が参加されました。その基調講演の中では、世界のLPガス需給動向、特に今後10年間は北米シェール開発が成熟期に向かい、プロパン生産の伸びがスローダウンするものの、米国はプロパンの最大輸出国であり続け、南アジアで伸びるブタン需要は中東が供給を独占するといった世界のLPガス海上貿易動向の変化についての講演がなされました。LPガス供給国としてはサウジアラビアと米国、アジアの主要LPガス消費国としては中国とインド、新興消費国としてはミャンマーの関係者を招聘し、それぞれのLPガス需給動向に関して意見交換が行われました。LPガス大型タンカー市場の動向や、新たなLPガス需要創出に向けて、高効率LPガスエンジン発電機の開発状況などの講演が行われ、従来からの産消対話に、新たな視点も加えた会議となりました。今年も、LPガス国際セミナー2020を、3月3日~4日に大手町の日経ホールで開催いたします。テーマは「多様性の時代 ~ 成長を続ける世界のLPガス市場の新しい戦略と挑戦」といたしました。皆様の多数のご来場をお待ちしております。

 昨年全国9ヵ所で実施しました「LPガス地方懇談会」は、「LPガスの料金透明化・取引適正化の現状」と、「LPガスの災害対応能力」、2つのテーマごとに、主に行政側からのプレゼンに対し、消費者委員や事業者委員、学識経験者からご質問やご意見をいただき、消費者と事業者のコミュニケーションの重要性や災害時に役立つエネルギーとしての広報の重要性に関して、率直なご意見をいただきました。今年も、消費者と事業者の信頼関係の一層の強化、多発する災害に最強のエネルギーとして、その役割を果たせるよう、LPガスに対する理解を進めていく場として、「地方懇談会」や「講習会」を一層充実してまいります。

 販売事業者調査は、上記の懇談会・講習会事業と一体化し、WEB形式の調査として、経営実態、取引適正化・料金透明化の対応状況などについて、経済産業省や関係団体の皆様のご協力を得つつ、販売事業者の課題抽出、対応検討に資するよう、引き続きその実施に努めてまいりたいと考えております。

 補助金事業のうち、災害バルク導入補助事業については、補正予算と本予算を合わせて、例年の約5倍に当たる約29億円弱の補助金を、災害時に避難所となる施設、医療施設、福祉施設などを運営する補助対象者に、交付決定しております。本事業の中では、広報活動にも力を入れ、昨年10月の東京の危機管理産業展へ出展、広報用WEBサイトの立ち上げなども行いました。また、構造改善推進事業については、本年度は、約5億円弱の補助金を、集中監視システム、見える化システム、新サービスなどを整備する補助対象者に、交付決定しております。災害バルク、構造改善、いずれの補助事業も、現在、補助事業の実施状況の確認作業に入っておりますが、引き続きその適正な実施に努めてまいりたいと考えております。

 当センターの国際・広報・調査・補助金執行など各事業については、会員向けメールマガジン「LPGC WEB通信」の配信やホームページ掲載などにより、関係者の方々にご報告いたします。「LPGC講演会」は、今年も皆様に関心の高いテーマに関する講演などを企画していきたいと考えております。これら当センターの自主事業も皆様の事業活動の一助となれば幸いです。

 今年も、エルピーガス振興センターの各事業へのご理解とご支援をお願いし、LPガス業界の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。