LPGC WEB通信  Vol.86  2021.07.12発行 

令和3年度第一回理事会及び定時評議員会等の開催報告

 一般財団法人エルピーガス振興センターの「令和3年度第一回理事会」が、去る6月3日に開催されました。 14時00分より理事会がウェブ形式で開催され、令和2年度事業報告及び決算報告及び公益目的支出計画実施報告の件、理事選任の件、監事選任の件及び定時評議員会招集の件の議案を審議し、全会一致で承認をいただきました。
また、6月28日に「令和3年度定時評議員会」がウェブ形式で開催され、岩井理事長の挨拶後、下記3議案の審議を行い、全ての議案は全会一致で承認され、滞りなく終了致しました。


第1号議案   令和2年度貸借対照表及び損益計算書(正味財産増減計算書)の件
        ・・・・令和2年度事業の実施結果を総括して収支決算をまとめた結果、
        当期末(令和3年3月31日現在)の正味財産期末残高は122,870千円とな
        り、前期末より13,540千円の減少となりました。

第2号議案   理事選任の件
        ・・・・今回は理事の改選期にあたり、新しく理事が選任されました。


第3号議案   監事選任の件
        ・・・・今回は監事の改選期にあたり、新しく監事が選任されました。


令和3年7月7日の理事会(書面決議)で理事長、専務理事が選定されました。
 
理事長・・・・ 岩井 清祐
 専務理事・・・ 嘉村 潤


新役員(令和3年7月現在)





◆個別事業報告
(1)調査研究事業
1)LPガス販売事業者への調査
LPガス販売事業者に、経営や小売販売の状況、LPガス価格の透明性確保や消費者への情報提供の実態についてアンケートを行い、報告書をとりまとめる事業。今回も回答をウェブ方式に限定、全国LPガス協会を通じて参加を呼びかけ、参加登録者にアンケート実施方法を案内した。調査は9月1日~11月30日の期間に行われ、資源エネルギー庁からの協力要請書の発出、各都道府県協会への協力要請の架電などを実施した結果、前年度の2倍以上に当たる4,416件(回収率25.3%)の回答が得られ、集計・分析した結果を報告書にとりまとめた。


2)LPガス講習会の実施
全国各地の消費者団体、事業者団体、地方公共団体、教育機関等からの要請により、LPガス関連の災害時の有用性や取引上の課題等について、LPガス講習会を行う予定であったが、コロナ禍でウェブ方式のみの実施としたことで、1件のみの実施となった。


3)LPガス懇談会の実施
コロナ禍のため、ウェブ上で事業者・消費者・行政等が一堂に会し、全国9経済産業局管内のブロックごとに、地方懇談会(8/25北関東、9/3南関東、9/15東北、9/30中部、10/8近畿、10/22北海道、11/2中国、11/16四国、12/8九州・沖縄)を実施した。プレゼンテーションを事前収録・配信、テーマに基づく討議として、料金透明化・取引適正化、コロナ禍の状況・対応、災害対応の3つのテーマで意見を交わした。通信状況のトラブルが一部生じたものの、令和2年度も、議事進行を学識経験者に依頼、より踏み込んだ質疑応答や情報提供を行うことができた。


4)情報普及活動の実施
普及啓発のため、令和2年度もLPガスガイドを改訂・作成、ホームページに掲載し、広く情報発信を行った。前年度と同様に、他の広報事業にも活用しやすいように、LPガスの基礎的物性や環境特性、供給・流通事情、使用機器、災害強靭性、安全対策、料金・取引などについて解説をビジュアル化、活用しやすい内容で、前年度のもののデータ等を最新のものに更新、ホームページに掲載した。

(2)普及啓発事業
1)石油ガス販売事業者の構造改善推進事業に対する補助金事業
本事業は、LPガス販売事業者の流通構造改善の推進のため、系列を超えた波及効果が見込まれる事業等に要する費用を助成する事業。令和2年度はコロナ禍で公募説明会を中止し、ホームページのみによる周知を図り、6月19日~7月7日にかけて公募した結果、事業予算を大幅に上回る270件の申請を受けた。事前審査後、9月1日の審査委員会において合計192件482百万円を交付決定、その後2件取り下げ、1件次点繰り上げ等により191件480百万円の補助金交付となった。
事業内容としては、LPWAの無線通信技術を活用した遠隔開閉栓等システム構築事業などを重点的に推進、LPガス販売事業者の人手不足に対応する構造改善効果の高い取組の支援を行った。


2)災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金(石油ガス災害バルク等の導入に係るもの)事業(令和元年度補正)
大規模災害時等の電気や都市ガスの供給が途絶した際に、避難困難者が多数生じる施設や公的避難所、一時避難所となり得るような施設等のライフラインの途絶を未然に防ぐ体制を構築するため、石油ガス災害バルク等の設置に要する経費に助成する事業。コロナ禍で公募説明会を中止し、ホームページのみによる周知を図り、第1回公募(5月29日~6月19日)、第2回公募(6月24日~7月10日)、第3回公募(7月15日~7月31日)を行い、申請121件(うち8件取下げ)を受けた。事前審査後、7月上旬~10月中旬の6回にわたる審査委員会において合計113件の交付決定を行ったが、その後4件の取り下げ、減額等があり、109件1,991百万円の補助金交付となった。
なお、前年度に制度広報として作成した広報用ウェブサイトを改修、11月14日に完成させた。


3)災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金
(石油ガス災害バルク等の導入に係るもの)事業(令和2年度)

令和元年度補正の事業と同様に、コロナ禍で公募説明会を中止し、ホームページのみによる周知を図り、第1回公募(6月24日~7月10日)、第2回公募(7月15日~7月31日)を行い、申請152件(うち30件取下げ、10件元年度補正との併願で移行)を受けた。事前審査後、8月中旬~11月上旬の5回にわたる審査委員会において合計112件の交付決定を行ったが、その後12件の取り下げ、減額等があり、合計100件1,836百万円の補助金交付となった。令和2年度も、引き続き発電機などの機器調達の大幅な遅れ等により、計画変更等の手続が必要になる案件が多発、制度の十分な理解がないまま申請していたと思われる案件もあったことから、引き続き、制度・運用に係る周知に関して改善の必要性が認識された。
なお、元年度補正と同様に、広報用ウェブサイトの改修も行った。


4)災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金
(石油ガス災害バルク等の導入に係るもの)事業(平成31年度)

前年度から繰り越された案件3件について、予定通り補助事業が実施されていることを確認、3件50百万円の補助金交付を実施した。

(3)国際協力事業
1)産油・産ガス国産業協力等事業
① LPガス国際セミナーの開催
LPガスの産ガス国、消費国、調査機関等より、講演者を招聘し、「LPガス国際セミナー2021」を令和3年3月2日~3日の両日に亘り、日経ホールにおいて、来場と配信を組み合わせたハイブリッド方式で開催する予定だったが、コロナ禍の影響を受け、国内外の講演者の講演を事前収録し、ウェブ配信する方式に変更して開催した。
今回のセミナーでは、テーマを「多様性とwithコロナの時代~LPガス市場の挑戦」とし、ポーテン&パートナーズ社による世界のLPガス消費と生産の動向に関する基調講演では、コロナ禍で落ち込んだ消費は2025年に向かって増加が見込まれ、アジア特に中国のPDHとインドの家庭用需要が牽引する構図が続くこと、生産は引き続き原油価格に影響された米国の動向に左右されることなどが説明された。また、例年通り、経済産業省や日本LPガス協会による講演に加え、産ガス国としては米国とサウジアラビア、主要消費国としては中国とインドの講演、世界LPガス協会から脱炭素の時代に向かう中での取り組みなどの講演が行われた。
セミナーの内容については、聴講者の満足度は約90%で、ウェブ配信となった今回の参加者数は国内外で1,077名となり、実開催であった前回セミナーの655名より増加、定例のイベントとして評価され続けていることが確認された。


② アジアLPガスフォーラムの開催
今後の需要拡大が見込まれる東南アジアにおけるLPガス企業の活動を紹介、東南アジア諸国の投資環境に関する課題について意見交換や提言等を行う「アジアLPガスフォーラム2021」を、国際セミナー終了後の令和3年3月3日午後に、日経ホールにおいてハイブリッド方式で開催する予定だったが、セミナー同様、コロナ禍の影響で、ウェブ配信する方式で開催した。
今回のフォーラムは、初開催でコロナ禍の開催であることを踏まえ、アジア地域での日本企業関連の取り組み事例を紹介することとし、9ヵ国で10社のLPガス事業現地法人を運営しているサイサン社、フィリピンで伊藤忠商事グループとジョイント・ベンチャーで事業を展開しているイスラLPG社、ガス供給機器メーカーとして工場が中国と韓国にあり、6ヵ国で9社の現地法人を展開しているITO社の3社の事例を具体的に紹介する講演とした。
フォーラムの内容については、聴講者の満足度は、セミナーと同様に約90%で、セミナーに引き続いて開催したことで、国内外で1,000名を超える参加者が得られた。


③ 事前調整活動等の実施
上記セミナー及びフォーラムの事前調整活動として、世界LPガス協会のフォーラム(例年秋に開催)等の会議に参加し、世界各国の関係者と広く意見交換を行う予定であったが、コロナ禍で海外出張を中止、代わりに既存のネットワークを活用したメール等により講演者候補の発掘と招聘活動を実施した。


2)国際協力事業
平成29年度から開始された(一財)海外協力人材育成協会(AOTS)が実施する「ミャンマーにおけるLPガス安全法制度構築事業」(経済産業省委託事業)の企画・実施に継続して参画、協力先であるミャンマー石油化学公社(MPE)への専門家派遣や研修生受入事業(令和2年度はコロナ禍のためリモートによる研修事業のみを実施)に関し、資源エネルギー庁、高圧ガス保安協会等と協議・調整、その後の事業進捗をフォローした。


(4)技術開発事業
脱炭素化やLPガス利用拡大につながる国内外の技術動向について、関係団体等の取り組み状況に関して、幅広い情報収集を実施した。


(5)広報活動
1)LPGC講演会の中止
令和2年度は、コロナ禍で講演会を企画するための関係者との面談調整等が困難であったこと、リモートによる講演会を有料イベントとすることに課題があったことなどにより、LPGC講演会を中止することとした。

2)広報資料の作成・掲載
当センターの組織体制や事業などの状況を紹介する資料等をホームページに掲載した。

3)LPGC WEB通信の配信
メールマガジン「LPGC WEB通信」を作成し、賛助会員及びLPガス関連団体等に毎月配信した。

4)その他活動
LPガス関連団体の会議等に参加、情報収集に努めつつ、当センターの事業についての広報活動を実施した。


(総務部)