LPGC WEB通信  Vol.115  2023.12.11発行 

 令和5年度近畿地方LPガス懇談会が開催されました

 経済産業省資源エネルギー庁の委託事業「石油ガス流通・販売業経営実態調査」として、当センターが実施する近畿地方LPガス懇談会が、去る10月4日に開催されました。対象の福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の消費者委員、事業者委員、学識経験者委員、自治体及び行政が出席しました。
本年度のテーマとして予め設定した、
①LPガスの料金透明化・取引適正化について
②保安(LP事故の発生状況等)
各テーマについてそれぞれ活発な意見交換が行われました。
本年度も、テーマに基づきエリアを越えた共通課題に対し、従前にも増して議論が深まりました。

LPガス懇談会について
(1)目的  LPガス取引適正化の観点から、LPガスの諸問題について、消費者団体、
       事業者団体、自治体、学識経験者等が一堂に会して意見交換・議論を行い、
       関係者相互間の理解を深めると共に、LPガス産業の健全な発展に資する。
(2)方法  全国9ヵ所の各経産局管内の主要都市にて開催する
(3)参加者 消費者委員…………各都道府県消費者団体の幹部等
       事業者委員…………各都道府県LPガス協会の幹部等
       学識経験者委員……知見を有する大学教授等
       自治体………………各都道府県のLPガス担当部署及び消費生活担当部署
       行政…………………経済産業省、地方経済産業局、地方産業保安監督部
       オブザーバー………LPガス業界団体
       報道関係
議事次第
(1)開会挨拶
   近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 資源・燃料課 西山 文広 課長

 LPガスは全国の総世帯数の約4割にあたる2,200万世帯強で使用されており、国民生活、社会活動を支える非常に重要なエネルギーです。また、ひとたび災害が起こると被災地を支える最後の砦となるエネルギーとして非常に重要な役割を担っています。一方で、電力、都市ガスといったエネルギーの小売全面自由化により家庭用エネルギーの競争が激化しており、LPガスについては特に取引適正化の面でますます重要性を増しています。資源エネルギー庁では今年3月から7月にかけて液化石油ガス流通ワーキンググループ(以下「WG」と言う。)を開催しています。LPガス販売事業者の過大な営業行為の制限、三部料金制の決定、LPガス料金等の情報共有、等について今後のあり方が検討されています。また一部法規制化が必要ということで来春の液石法改正が見込まれているとも伺っています。引き続きLPガス販売事業者のガイドライン等の遵守および真摯な取り組みを通じて、今後もLPガスが消費者に選択されるエネルギーとなり国民生活を支えるエネルギーの一翼を担うことを期待します。本懇談会はLPガスに係る諸問題について情報共有し問題点を把握するとともに相互の信頼を深めるために実施されているところです。本年も 甲南大学教授の土佐先生にご意見をいただきながら、より良いLPガスの利用環境の構築に活かしたいと思いますと挨拶がありました。

(2)懇談 司会・進行:甲南大学法学部    土佐 和生 教授
                             

テーマⅠ.「LPガスの料金透明化・取引適正化」について

 ① 学識経験者委員による資源エネルギー庁・エルピーガス振興センターの事前プレゼン
   テーションに関し概要の取り纏め
 ② 消費者委員からの質問・意見等
 ③ 消費者委員の質問への事業者委員からの回答・意見等
 ④ 行政のLPガスの料金透明化・取引適正化の取組みについて

テーマⅠ.に関して以下の議論がありました。
土佐教授から事業者委員へLPガス業界も裁判外紛争解決手続(ADR)のような取り組みがあるか否かを聞いたところ、事業者委員からは現時点においてはそのような取り組みはないとの回答がありました。また、切替によりガス会社が変更になった場合、新しいガス会社との契約書にすぐ署名すべきかとの問いが消費者委員からあり、土佐教授からはまず実際の供給契約の主体、契約内容を調べてから応じることが望ましいとの発言がありました。

テーマⅡ.「保安」について


 ① 学識経験者委員による経済産業省ガス安全室の事前プレゼンテーションに関し
   概要の取り纏め
 ② 消費者委員からの質問・意見等
 ③ 消費者委員の質問への行政からの回答
 ④ 消費者委員の質問への事業者委員からの回答・意見等

(3)総括:甲南大学法学部  土佐 和生 教授
全体を総括し、土佐教授より以下のコメントがありました。
まず1点目、取引適正化については、歴史的に見ると平成29年度辺りを境にガス取引自体の透明化は格段に進捗したと思います。この間それを超えていわゆる賃貸集合住宅におけるガス取引というよりは、それに付随する不動産取引についてもこの趣旨や精神を徹底させていこうということで行政、事業者、消費者の方々が各々努力を払われていると思います。その点で今回新しく規則の改正が見込まれていますが、実効性の確保が非常に重要な課題であり、また消費者の目線から見ると恐れや不安を感じるところではないかと思います。その意味で実効性の確保については、入念に制度設計されていると感じますが、フォローアップをこのような会合を通じてしっかりと行っていくことが重要であると思います。2点目は保安の話ですが、一つには放置されているガスボンベ等に対する対応、これは空き家問題とも通底することだと思いますが、この課題を業界全体としてどのように考えるかで、もう一つは、いわゆる独居の高齢者の方々に対する個別の保安体制強化あるいは啓発・啓蒙を如何に進めていくか、本日の議論を通じてこの2つの課題が浮かび上がったと思います。
(広報室)