LPGC WEB通信 Vol.139 2025.12.10発行

 令和7年度中国地方LPガス懇談会が開催されました
 
経済産業省資源エネルギー庁の委託事業「石油ガス流通・販売業経営実態調査」として、当センターが実施する中国地方LPガス懇談会が、去る10月31日に開催されました。
対象の鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県の消費者委員、事業者委員、学識経験者委員、自治体等行政関係者が出席しました。

本年度のテーマとして予め設定した、
(1)保安(LPガス事故の発生を防ぐために)
(2)LPガスの料金透明化・取引適正化について
各テーマについてそれぞれ活発な意見交換が行われました。
本年度も、テーマに基づきエリアを越えた共通課題に対し、従前にも増して議論が深まりました。

LPガス懇談会について
(1)目的  LPガス取引適正化の観点から、LPガスの諸問題について、消費者団体、        事業者団体、自治体、学識経験者等が一堂に会して意見交換・議論を行い、        関係者相互間の理解を深めると共に、LPガス産業の健全な発展に資する。
(2)方法  全国9ヵ所の各経産局管内の主要都市にて開催する
(3)参加者 消費者委員…………各都道府県消費者団体の幹部等
       事業者委員…………各都道府県LPガス協会の幹部等
       学識経験者委員……知見を有する大学教授等
       自治体………………各都道府県のLPガス担当部署及び消費生活担当部署
       行政…………………経済産業省、地方経済産業局
       オブザーバー………LPガス業界団体
       報道関係

議事次第
(1)開会挨拶
   中国経済産業局 資源エネルギー環境部 資源・燃料課 渡邊課長

LPガス懇談会はLPガスに関する諸問題について意見交換等を行うことで関係する皆様の相互理解を深め、また頂いたご意見、要望を施策に反映することによりLPガス産業の健全な発展に資することを目的に平成7年より開催しております。
取引適正化については液化石油ガス流通ワーキンググループにおいての商慣行是正等の議論を踏まえて液化石油ガス法の省令改正が行われ、昨年4月に公布されました。
施行は2段階に分けて行われ、昨年7月には過大な営業行為の制限やLPガス料金等の情報提供について施行されました。本年4月には三部料金制の徹底について施行となり、LPガス販売事業者はこれらの改正省令への対応が求められているところですが、こうした新しい制度については実効性の確保が重要であり、そのための取り組みも進めています。本日はこうしたテーマを基に情報共有や忌憚のない意見交換などお願いしたいと思っております。
LPガスはエネルギー源が多様化した現在においても全国世帯の約4割の家庭で使用されるエネルギーであり続けております。また自立稼働が可能な分散型エネルギーという特性を生かし、医療機関や避難所等への導入が行われるなど、災害に強い地域作りにも貢献しております。中国経済産業局としましても、引き続き地域の皆様と連携した取り組みを推進していく所存です、と挨拶がありました。

(2)懇談 司会・進行:広島経済大学メディアビジネス学部 学部長 北野教授

テーマI.「保安」について

(1)学識経験者委員による経済産業省ガス安全室の事前プレゼンテーションに関し概要のとり纏め
(2)消費者委員からの質問・意見等
(3)消費者委員からの質問に対する事業者委員からの回答・意見等
テーマI.に関して以下の議論がありました。

キャップカバーについては消費者にどう入手すればいいのかという周知を強化してもらえたら、と思うことが一点あります。
加えて、警報装置のことがありましたが、微量な漏洩があった時でもきちんと感知できる備え付け方や、微量なガスの漏洩に対して反応するためにはどうしたらいいかといった辺りの補足説明もいただければと思います。

自然災害のところで積雪時の事故防止対策ということがありましたが、広島県の北部では多いところで2m近く雪が降るところもありまして、落雪によるボンベの転倒などに気を配っていく必要があるかと思います。
また、伺いたいのはガスメーター等の凍結のことが書いてありましたが、一般的に気温が何℃ぐらいになった時にLPガスの凍結というような状況が起こるのかということが分かれば教えていただければと思います。

LPガスは元々液体でして、それを気化してガスとして使用していただいております。従いまして、いくら寒冷地になってもLPガスが液化する、あるいは凍結するということはありません。
反対に気をつけていただきたいのは、氷点下2~3℃になりますと水道管が凍結いたします。水道管の凍結防止としてタオルを巻いていただく、あるいは寒い日にはあらかじめ少しずつ水を出して凍結防止をした上で給湯器をお使いいただくといいです。いきなり凍結している状態で給湯器を使おうとすると給湯器のガス給湯管と給水管が破裂するといった危険もありますので、注意をしていただければと思います。従いまして、LPガス自体が凍結する、液化するということはございません。

岡山県では埋設管があるところ、例えばアスファルトの上からシールを貼っています。これによって位置が分かりやすくなるので、協会の会員から協会に申込みが来ました。とても効果があると思います。
それから書面の話ですが、最近外国人が多いので英語やポルトガル語など何ヶ国語か用意していますが、うちの従業員などは説明に大変苦労しているようです。日本ではブルーの炎になり綺麗ですが、外国人からは赤い炎のほうがいいという方もいらっしゃるようで、コミュニケーションが難しいという話は聞いています。最近の器具は自動的にガスが消えたりしますが、それで説明に行くというのを何回かして学習して理解してもらうという消費者も一部います。

広島県では自然災害について少しお話をしておこうと思います。まず水害対策ですが、7年くらい前に西日本豪雨災害がありました。今現在、各家庭にあるガスボンベに鎖を二重で繋ぐという形で容器の流出を水害対策として進めており、昨年末時点で約95%が完了しています。
また、各事業者の充填所等で浸水した時の容器の流出防止対策については容器に網をかけるといった形で充填所から外に流れない対策を打っています。
それから地震対策ですが、災害発生時において地域の消費者に継続して安全安心にガスを使っていただける供給体制を整備し続けているところです。
そして、行政と連携した防災活動ということで、広島県の各地区の協議会では各地方自治体と年1回程度の防災会議、それから防災訓練に出席するなど、行政と連携を取っており、災害発生時に対応できる体制を整えています。
また、広島県全体としては当協会の専務理事が県の危機対策推進事業者連絡会や県の高圧ガス地域防災協議会等に防災担当者として出席して接点の強化を図っているところです。

テーマII.「LPガスの料金透明化・取引適正化」について

(1)学識経験者委員による資源エネルギー庁・エルピーガス振興センターの事前プレゼンテーションに関し概要の取り纏め
(2)消費者委員からの質問・意見等
(3)消費者委員からの質問に対する事業者委員からの回答・意見等
(4)自治体から取り組みに関する報告
(5)行政のLPガスの料金透明化・取引適正化の取組みについて

テーマII.に関して以下の議論がありました。

商慣行の問題や料金透明化の問題は長年取り組んできて1つずつ手当がされてきたと思います。特に今年は三部料金制の徹底も施行され、昨年の施行と合わせて商慣行の改定と三部料金制の徹底をしていただくことで、LP ガス業界全体の信用度も上がっていくと思いますので、引き続き周知していただいて、良い市場を形成していただければと思います。

三部料金制の周知徹底について、引き続きしっかり取り組んでいく必要があるかと思っています。それから今回の液石法の改正については、主に事業者側への規制というのが大きいと思いますが、資料を拝見しますと、集合住宅の生活関連設備の負担については、オーナー側からの要求が85%、不動産業者からの要求が70%とありました。そういう意味では、所管は国交省かと思いますが、その辺りの連携を強めていただいて、建築側への規制がないと根本的な問題の解決にならないのではないかと感じています。

先ほど周知徹底されていないことについてお話しさせていただいたのですが、入居希望者へオーナー、不動産管理会社、不動産業者を通じて提示をするというのは努力義務ではありますが、誰が責任を持ってやるのかというのは疑問に思いました。三者間で連携が取れているのでしょうか。
また、改正前に集合住宅に入られた消費者にはこのことについて説明を求められたら説明するのでしょうか?それとも事後説明になるのでしょうか?どういう扱いになるのかというところをお聞きしたいと思います。

無償配管は確実に減っていると思います。工務店にも理解いただけていることが多いです。難しい不動産業者が一部いるため苦労しているのは事実ですが、投資金額が減っています。
それからLPガス料金について関心のある消費者が少ないと思います。自動引き落としやカード決済などいろいろあって、その他に含まれていて気にしないのかもしれません。これが集金に行って「8000円です」となると「あれ?高いね」となります。しかし、特にカード払いなどの場合、デパートの支払いなどと一緒にまとめて請求が何万円ときますから、ガス料金は今いくらなのかという認識は昔に比べて減っていると思います。
それから家計全体に占めるガス料金の割合が昔よりも低くなっているのではないかと思います。

料金透明化・取引適正化について、協会としてはこれまでも本件に関して、会員320事業者ほどに対してメールであるとかFAX等々による発信、ホームページへの掲載、講習会の実施など、さまざまな対応を行っています。
料金透明化という意味では実際に公表していない事業者はもうほとんどない、といったところが実態です。ホームページがある事業者についてはホームページで公表していますし、ホームページを作成してない事業者では店頭に料金表を提示しているといった実態です。
また、賃貸集合物件につきましては、入居するタイミングで不動産業者等々にも料金表の提出を徹底しています。ただ、料金透明化・取引適正化につきましては、LPガス販売事業者自らがこれを守っていくという自主取組宣言を公表していきましょう、という形になっていますが、全国で公表率はまだ18%でした。
こちらについては、本年の7月4日に全国LPガス協会から各県協会の会長向けに、商慣行是正に向けた自主取組宣言の公表を各社で発表してください、ということで、現在広島県でも自主取組宣言を発出してもらうようお願いをしているところです。
この3ヶ月で県内の宣言率は19%から25%と増えつつありますが、320事業者あるうちの中小事業者、家族経営の事業者もありますので、そういったところについては、元々不透明なことはやっていない事業者も多数あります。そういった事業者については、周知が足りていないところもありますので、そういったところに向けて、しっかりと理解をしていただき、宣言をしてもらうようお願いしているところです。

去年の4月に法規則の改正ということで過大な営業行為の制限等が出ました。その時に我々としてはそうあって欲しいという事業者も少なくなかったと思います。
本当にできるのか、という中で業界を上げてそっちの方向を向いていこうという流れができて、実際に行ったところ、山口県内はほとんどそのルールに則って営業活動をされていると思います。
国からの情報については協会のホームページを見ていただくということで情報を発信しているところです。
また、三部料金制のことや料金が分かりにくいという消費者がいらっしゃると思いますが、そういった方は事業者に遠慮なく聞かれたらいいと思います。事業者にはそれを答える義務があります。聞いてもらえば分かりやすく説明できると思いますし、できないところは変えてもいいと思います。

(3)総括:広島経済大学メディアビジネス学部 学部長 北野教授
全体を総括し北野教授より以下のコメントがありました。
まず大事なポイントは消費者の保護ということで、これは昨今の物価高ということも背景にあって、そうした形で消費者を保護していくというのは非常に大事なテーマだと思います。
同時に事業者のビジネスメリットも大事です。事業が継続できるかどうかという議論もありましたが、これも再エネルギーの問題や環境問題等も背景にあり、そうは言っても事業者がきちんとした事業として利益をきちんと守りながらビジネスを継続できるということも非常に大事なテーマだと思います。
この2点は外すことができないと思います。その中で、LPガスに関しては従来言われているように、災害時の優位性や、それに伴う安全性能確保がいるわけですが、そのようなことをもう1回きちんと言っていく必要があるというのが感想です。
もう1つ、今日お話を聞いて感じたのが、地域差と住居形態の差、これによって起こる問題が違ってくるということがありますので、それぞれのエリアごと、もしくはお住まいの住居の形、そういった辺りは継続的に見ていく、あるいは十分に配慮していく必要があるかと思いました。
そういったことで、継続的な課題である保安の問題と、料金透明化・取引適正化の問題はずっと続けている話です。継続的な課題は相変わらず残っていますので、ここに関しては着実にステップバイステップというか、一朝一夕には解決できないことがあろうかと思いますが、1歩ずつ進めていく必要があるというのが感想です。
もう1つは新たな課題というのが出てくると思います。これは省令改正に伴っての周知は新たな課題だと思います。そういった課題が生じてきた場合には、柔軟に対応していく、臨機応変に対応していって、いろいろな施策の実効性の担保、つまりそれが効果を発揮しているのかという検証がいると思います。そういった面で継続的な課題の対応と新たな課題に対してどう考えていくか、これは消費者の皆さん、事業者の皆さん、行政・自治体の皆さんも共に考えていく必要があると思います。
この懇談会は年に1回ですが、委員の皆さんの話を聞くと新たな発見をすることがあります。そういった面では皆様からの情報提供、意見や疑問というのが経済産業省や資源エネルギー庁、経済産業局に届く機会だと思いますので、非常にいい機会ではないかと思います。
(広報室)