LPGC WEB通信
Vol.139 2025.12.10発行
令和7年度四国地方LPガス懇談会が開催されました
経済産業省資源エネルギー庁の委託事業「石油ガス流通・販売業経営実態調査」として、当センターが実施する四国地方LPガス懇談会が、去る11月10日に開催されました。
対象の香川県、徳島県、愛媛県、高知県の消費者委員、事業者委員、学識経験者委員、自治体等行政関係者が出席しました。
本年度のテーマとして予め設定した、
(1)保安(LPガス事故の発生を防ぐために)
(2)LPガスの料金透明化・取引適正化について
各テーマについてそれぞれ活発な意見交換が行われました。
本年度も、テーマに基づきエリアを越えた共通課題に対し、従前にも増して議論が深まりました。
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LPガス懇談会について
(1)目的 LPガス取引適正化の観点から、LPガスの諸問題について、消費者団体、 事業者団体、自治体、学識経験者等が一堂に会して意見交換・議論を行い、 関係者相互間の理解を深めると共に、LPガス産業の健全な発展に資する。
(2)方法 全国9ヵ所の各経産局管内の主要都市にて開催する
(3)参加者 消費者委員…………各都道府県消費者団体の幹部等
事業者委員…………各都道府県LPガス協会の幹部等
学識経験者委員……知見を有する大学教授等
自治体………………各都道府県のLPガス担当部署及び消費生活担当部署
行政…………………経済産業省、地方経済産業局
オブザーバー………LPガス業界団体
報道関係
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議事次第
(1)開会挨拶
四国経済産業局 資源エネルギー環境部 沖野部長
ご存知のとおり、LPガスは国民生活に欠かせない重要なエネルギー源と認識されています。近年、地震や台風、大雨などによる大規模災害が頻発しており、昨年1月には能登半島地震がありましたが、備蓄基地や充填所が被害を受けながらも供給を継続し続けたことにより、LPガスは災害に強い分散型エネルギーとして実績が評価され、 教育施設、福祉施設、避難所などへのガス機器導入が進んでいるところです。
四国に目を向けますと、南海トラフ地震はいつ発生してもおかしくない状況ですので、備えを万全に期しておく必要があります。
例年、災害時石油ガス供給連携計画に基づく各県LPガス協会の通報訓練が行われていますが、本年度はこれに加え、独立行政法人エネルギー金属鉱物資源機構と各県LPガス協会などが参加し、国家備蓄放出連絡訓練、波方基地放出訓練、中核充填所稼働訓練が、去る9月4日から10月8日にかけて実施されました。実訓練を含む一連の訓練が実施されることにより、災害への備えが増したものと考えています。
一方、事業環境に目を向けますと、使用世帯数の減少に加え、給湯器等の機器の高効率化、省エネ化を背景として需要が徐々に減少するなど厳しい状況に直面していますが、LPガスが引き続き消費者に選択されるエネルギーとなるためには、消費者との信頼関係の構築が重要と考えています。
消費者との信頼関係の構築に関しては、LPガス事業者と不動産建築業者との間の無償貸付や貸付配管等の商慣行が消費者に不利益をもたらしているという旧来からの課題を是正するため、昨年4月に過大な営業行為の制限、三部料金制の徹底、LPガス料金等の情報提供の3つを柱とした省令の改正を行いました。
この3つの柱のうち、過大な営業行為の制限とLPガス料金等の情報提供の2つについては、昨年7月から施行されており、施行と同時に改正された新しい取引適正化ガイドラインに基づいた各LPガス事業者の取り組みが期待されているところです。また残りの三部料金制の徹底についても 本年4月に施行されており、当局としては今後LPガス事業者への立入検査等を通じて、一層の取引適正化を進めていく所存です、と挨拶がありました。
(2)懇談 司会・進行:香川大学 経済学部 古川教授
テーマI.「保安」について
(1)学識経験者委員による経済産業省ガス安全室の事前プレゼンテーションに関し概要のとり纏め
(2)消費者委員からの質問・意見等
(3)消費者委員からの質問に対する事業者委員からの回答・意見等
テーマI.に関して以下の議論がありました。
配管が埋まっているという認識をしてもらうことについてですが「団地内工事を見かけたら管理者、ガス会社に確認するなど、ガス管の存在を知らないで行われる工事を減らすためにご協力を」と書いてあるのですが、これは一体誰に声をかけているのだろうかと思います。消費者側に頼まれても管理者も分からないし、ガス事業者も分からないということになりますので、おそらくは団地に住んでいる消費者に知っておいていただかないといけないのではないかと思います。そこはうまくいかないかもしれないのですが、例えばガスボンベを置いてあるところに「敷地内にガス管が埋まっていますから、水道工事や下水道工事の際にはガス事業者にお知らせください」というような注意喚起のパネルをつけておくなどして分かってもらう必要があるかと思います。
それと管理者、オーナー、そこを所有している方に「もし水道工事などをする場合はガス管が埋設されているので、その旨を水道業者等にお知らせください」といった内容を周知してもらうという努力を前持ってしておかないといけないかと思いました。
消費者起因の事故が全体では217件のうち55 件というのを資料で拝見しました。消費者の代表として、消費者の事故を減らしていくための啓発や教育に協力ができればと思っています。
LPガス販売事業者として事故を減らすための具体的な教育とか啓発活動をどのような頻度で、どのような層に対して実施するのか、また効果測定を改善する計画など決めているようであれば教えていただきたいと思います。
「液化石油ガス安全高度化計画2030」の中で、消費者起因の事故を年間15 件未満にするという目標が掲げられていると読みました。その過程の中で啓発、教育や啓発活動と効果測定をどのようにされていくかが決まっているようであれば教えていただきたいと思いました。
始めに自社の取り組みですが、極力、埋設配管はやらないようにしています。目視点検ができますので極力、露出配管で行っています。ただ、外見的なものがあり、家と配管のパイプの色が違うことがあるので、当社の場合は家の外観に合うペンキを塗るといった対応をさせていただいています。
次に消費者起因による事故について、私たちは0件にしたいということで、毎年1回以上周知文書を消費者に手渡ししています。文書には「こういうことに気をつけてください」などいろいろ書いていますが、ただ高齢者が読むと字が小さい、あるいは専門用語が多いという部分もあります。
また、リフォーム業者が工事をする場合、埋設配管があるかないかを取引のあるガス事業者に連絡してください、という要項が入っていませんので、早急に記載していただけるよう要望を出したいと思っています。
(イベントなどでのLPガス取り扱いについて)きちんと設備をセッティングした後に、担当者には使用の手順を教えていますが、複数の方がイベントに参加されている場合は周知が行き渡らないというところがあって、事故になりかねないと思います。どのようにすれば事故を防げるかというのは今後検討させていただきたいと思います。
テーマII.「LPガスの料金透明化・取引適正化」について
(1)学識経験者委員による資源エネルギー庁・エルピーガス振興センターの事前プレゼンテーションに関し概要の取り纏め
(2)消費者委員からの質問・意見等
(3)消費者委員からの質問に対する事業者委員からの回答・意見等
(4)自治体から取り組みに関する報告
(5)行政のLPガスの料金透明化・取引適正化の取組みについて
テーマII.に関して以下の議論がありました。
三部料金制については、施行されたばかりというところもありますので、三部料金制が徹底して、整備されていくということを期待しています。
アンケート調査ですが、内容については承知しました。中身は分かりやすくて良かったです。ただ、全体的な回答率は改善されていますが、全国のブロックで見ると四国の回答率が低いと思います。是非アンケートの回答率が上がるようにお願いしたいと思います。
アンケートを通じて事業者も学ぶこともあると思いますので、回答率が上がるように頑張っていただきたいです。
三部料金制の徹底について資料を拝見しました。現場での契約において、料金の中で何を持ってLPガスの消費に関係ない費用と判断するのか、事業者への指導の際に基準のようなもの、統一されたものがあるのかという疑問があります。
消費者としても、明細書に記載があると思いますが、実際事業者からするとこれは関係あるという表記にもなるかもしれませんし、そういうものが明確に視覚化して消費者に提示されるものがあるのかと思いました。
新しい集合住宅があって、そこにお揃いの給湯器がずらっと並んでいました。もし三部料金制をとっているとしたら、例えば給湯器のリース料金として別に請求されているのかと考えていました。
新しい契約者との間では三部料金制は取りやすい、説明しやすいと思います。ただ、既存の契約者、長いこと契約している消費者について同じように三部料金制を適用していくとなると「これまでこういうものに私は支払っていたのか」というようなことでクレームが出かねないと思いました。
新規の契約者と長い間契約している方への対応の違いで特徴的なことがあれば事業者に教えていただきたいと思います。
三部料金制の中身は法令で決まっていますが、詳しく理解していない事業者もあります。私の会社では前から設備料金に当たるものがなかったところなので、どうしたらいいかと思っていました。ただ、アンケートにありますように、マンションなどで給湯器や配管を出していただいたらお宅でガスを供給してもいいですよということを、省令改正前には多々あって、その分に対しては消費者から料金を取れませんので普通の料金表で対応していました。
今回、三部料金制になり、その分を細かくガス料金と設備料金を分けて表記しなければいけない、ということで指導していくつもりですが、県や行政でどの程度やっているのかと思います。
ただ、高知県では省令改正される直前にそういったお話は他社ではしないのでそちらでやってくれませんかという誘いがありましたが全部断っています。他の事業者も断っているので工務店などは慌てて事業者に協力をお願いしたのではないかと思いますが、最近はそういう話を聞いていないのでうまくいっていると思っています。
アンケートの回答率の悪さについては大変申し訳なく思います。ただ資料で分かりますように、従業員数で言えば1~2名、ご夫婦で事業をしている高齢の方が大変多いのが現状です。消費者の数も1~150戸と零細企業が多いですが、徳島県の場合は、よりパーセンテージが高いと思います。それを言い訳にするわけではないのですが、70問のアンケートをやっていただけなかったのではないかと思っています。これから協会としてもしっかりとアンケートに対して促進していかなければいけないということは周知していきたいと思っています。
三部料金制のことについて、新規については給湯器やガスファンヒーター、最近であればガス乾燥機、ガス警報機などは三部料金制の設備料金につけるので、消費者にはここにこれだけ料金がかかっているというのが分かるということで大変いいのですが、既存の消費者について、貸与している部分について三部料金制に移行する時は消費者に周知をして「今までこの分を基本料金の中に入れていましたが、設備料金に変更します」とか「従量料金で頂いていたのですが、その分従量料金を下げて給湯器の分は設備料金に入れます」など、三部料金制の移行はしっかりと進めていかないといけないと思っています。
三部料金制につきましては制度改正の議論が始まった頃からこういう形になるということで、県協会として毎年法令で決められている保安講習会といった機会があるたびに、三部料金制は義務ですということで周知していますし、会報などでも機会あるたびに周知してきましたので、三部料金制はほぼ導入されていると感じています。
今回、三部料金制の中で設備料金云々というのが一番分かりづらいところと思います。ただ、特に賃貸集合住宅と戸建て住宅を分けて考えなくてはいけないと思います。基本的に今回、賃貸集合住宅については、過大な営業行為ということで、ガス消費機器に関わらずそれ以外のガスの消費に関係ないものは無償貸与するべきではないとなっています。基本的に賃貸住宅の場合はゼロ円です。戸建て住宅の場合は個人の契約ですので、販売事業者と消費者が納得の上で、何かリースするのであれば、それはきちんと三部料金制の設備料金の中に記載すればいいということになっています。
ただ、どちらしても販売事業者がやっている行為が第三者から見て過剰であるかどうかというのが一つと、もう一つは無償貸与することによって、消費者側が事業者を変える選択権を抑止する、制限するようなことになってはいけないという点が正常かどうかの見極める論点と聞いています。その辺りは各販売事業者が良識で判断して、今後そういった物件に対してどう対応するかという、我々の姿勢が問われていると思っています。
(3)総括:香川大学 経済学部 古川教授
全体を総括し古川教授より以下のコメントがありました。
有識者という立場の前に、一消費者として分からない言葉や仕組み、現状も含めてLPガスやエネルギーというのは分からないことが多いです。最初に申し上げたとおり、分かりやすい言葉で分かりやすい情報発信をしていただきたいと思います。
透明性といったところは結構取り組んでいるということも分かりましたので、次はもう少し分かりやすい情報発信をそれぞれ四国4県で取り組んでいただきたいと思っています。
事業者の皆さんの常識と消費者の常識は乖離していると思いますので、そこを丁寧に説明していただきますと、透明化にもつながってきますし、誤解も減ってくるのではないかと思いますのでよろしくお願いいたします。
(広報室)